「この記録、いつ終わるんだろう…」
そう思いながら、カルテやタブレットの前に何十分も座り続けた経験、ありませんか?
バイタル、処置、投薬、褥瘡、経過観察、申し送り用メモ、記録ミスの修正…。
患者さんと向き合う時間より、書類とにらめっこしている時間の方が長い──
そんな現実に、私は何度も疑問を感じてきました。
今回は、現役・元看護師だからこそ痛いほど分かる「書く地獄」について掘り下げながら、
これからの看護記録の未来についても少し触れてみたいと思います。
記録業務が看護師の仕事の“半分以上”を占めている現実
看護師は「命を守る仕事」です。
でも現実には、その時間の大半が「記録」に費やされています。
たとえば、私が働いていた急性期病棟では、1日のスケジュールの中で記録に使う時間は約4〜5時間。
夜勤明けでボロボロになりながらも、最後に「記録が終わらないから帰れない」ことも珍しくありませんでした。
【記録業務の具体例】
- バイタルサイン記録
- 経過観察や処置の詳細
- インシデントやヒヤリハットの報告書
- 看護計画の評価や修正
- サマリーの作成、申し送り用メモの準備
しかも、多くの職場では紙とデジタルの“二重記録”が残っており、
「同じ内容を2〜3回書いている」ことも当たり前になっています。
「記録は大事」でも、だからってこんなに時間がかかっていいの?
もちろん、記録はチーム医療において極めて重要です。
ミスの防止、情報共有、法的リスク回避など…なくてはならない業務です。
ただ、それと同時に現場ではこんな声が絶えません。
- 「1日中、記録とパソコンの画面しか見てない」
- 「患者さんに手をかける時間が足りない」
- 「一度入力した情報を、別システムにもまた手入力って…非効率すぎる」
これは単なる愚痴ではありません。
記録業務の過重化は、現場の看護の質を下げ、離職の原因にもなっている深刻な問題です。
看護協会も知らないはずがない!
看護協会が問題視する看護師の超勤や記録業務改善に関する情報をまとめると、以下の点が注目されています。
超勤に関する問題点
- 超勤の現状: 日本看護協会の調査では、月平均で1時間以上の超過勤務がある看護師の割合は84.5%であり、平均の残業時間は5.4時間となっています。また、9割以上の看護師が時間外労働をしており、そのボリュームは5時間未満から20時間未満で全体の約7割を占めていることが分かります。
- 原因: 主な原因としては、看護師不足が挙げられます。人手不足で業務量が増え、業務時間内に仕事が終わらないことが多くなるためです。
記録業務改善の必要性
- 記録業務の影響: 看護記録作成は業務時間内に完了しづらく、時間外に記入されることが多く、サービス残業の一因となっています。
- 改善策: 記録業務のフォーマット化により、作成時間を短縮し、効率化を進めることが提案されています。
看護協会の取り組み
- 労働時間管理の改善: 日本看護協会は労働時間管理の適正化を求め、特に時間外労働の上限規制を強調しています。
- 働き方改革: 労働時間や有給休暇取得率の改善を目的とした働き方改革を進めており、看護師の健康と患者の安全を守るための制度整備を推進しています。
これらの情報から、看護協会は超勤問題と記録業務改善を重要視しつつ、労働時間管理や働き方改革を通じて看護師の負担を軽減し、職場環境を整える取り組みを進めています。
記録のための記録”になっていないか?──現場の葛藤<
記録がどんどん詳細化していく背景には、
- 医療安全の強化
- 監査・訴訟リスクの回避
- 病院の経営上のニーズ(診療報酬の根拠)
などがあります。。。 でも、その結果、
「現場のナースが、自分たちを守るためだけの記録に疲弊している」
そんな皮肉な状況になっていないでしょうか?
本来、記録とは“ケアの質を支える”ものであるべきです。
しかし現実は、“ケアを削ってでも記録を優先せざるを得ない”──
そんな矛盾に満ちています。
現場の声に耳を傾けてほしい!
記録がいかに大切かは分かっています。
私たちの身を守るために必要なものであることも・・・
そして、私たちの存在を証明してくれるものであることも・・・
でも、看護師が疲弊してまで守らなければいけない制度に、どこか限界を感じているのも事実です。
- 夜勤明けのボーっとした頭でサマリーを書くのが、1番つらい。昼までの超勤は当たり前。
- 入力した内容がうまく保存されてなくて、また書き直し…涙が出ました
- 先輩に“もっと丁寧に書け”って言われるけど、時間も体力も限界なんです
- 係の仕事?
- 病棟会出席必須?議事録で確認したり、アンケートではだめなの?
こういった声は、決して特別なものではありません。
看護記録を“見直すべき時代”に来ているのではないでしょうか。
AIという希望──看護をもっと看護らしくするために
ここで少しだけ、私の今の挑戦についてお話させてください。
私は現在、「記録業務をもっとラクにするための仕組み」を模索しています。
それはAI(人工知能)を使った記録サポートアプリの開発という形です。
まだまだ構想段階ですが、
- 音声で簡単に入力できる
- 過去の記録から必要な情報を自動で補完
- 看護計画やSOAPを半自動で組み立てられる
…そんな仕組みがあれば、どれだけ救われる人がいるだろうと考えています。
技術だけで現場の全てが解決するとは思いません。
でも、“書く苦しさ”を少しでも軽くする手段は、確実にあると信じています。
“記録”に追われず、“看護”に向き合える未来へ
看護記録の重要性は、誰よりも私たちが知っています。
だからこそ、「記録に追われる」今の現場を変えていきたい。
もしあなたも、同じようなモヤモヤを感じているなら、
このブログを通じて、一緒に「よりよい看護の形」を考えていけたら嬉しいです。
私はこれからも、記録業務の改善に本気で取り組みます。
少しでも多くの現場が、“書く地獄”から解放され、
看護師が本来の仕事に集中できる未来を目指して。
あなたの声を聴かせてください。
💬 ご意見・ご感想お待ちしています!
🤝「こんな機能があったらいいな」「私は看護師何年目なんだけど…これは違うんじゃない?」 「私生活がうまく回せないで困っている」など、なんでも大丈夫です。
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